トマトには2種類のビタミンCがある~加熱すると栄養が逃げるは本当か~
「ビタミンCが熱に弱い」 は迷信だった...!?
野菜ソムリエで野菜オタク・べジヲタ農業人のぬっきーです。
大学時代の4年間、オランダでの1年間、富良野での半年間の計5年半、毎日の食事は自炊を続けていたベジヲタぬっきーですが、自分で作ったトマトを「ドライトマト」にしようと思いました。
野菜を頂くからには、その野菜が持っている力(栄養素)を最大限に活用したいし、無駄にしたくない。この信念を貫くため、今まで私自身も信用していた情報を疑ってみた。
それは「ビタミンCは熱に弱い」ということ。
実際に自分の力で情報を集め、考え、結論を出してみると予想していない結果が出たので、今回はそれをまとめます。さらに、ベジヲタ流の「トマトを無駄にしない究極の切り方」もまとめます。
〇「ビタミンCは熱に弱い」を疑ってみてわかったこと
結論から言うと
「酸化型のビタミンCは熱に弱いが、加熱調理をしない方がトマトを無駄にしている」
んん...?こう思う人が大半だと思います、私もそうでした。ですが、情報を集め調べていくうちに、トマトは加熱調理をした方が楽しめるということがわかりました。以下まとめます。
〇ビタミンCは「酸化型」と「還元型」がある
あれが酸化型でこれが還元型で....
という話をすると長くなるし、化学的な構造が異なるだけで、どちらも体内での働きは同じなので省略します。
ここで伝えたいのは「ビタミンCは2種類ある」ということです。
〇「ビタミンCが破壊される」の真意は...
体内での働きは2つとも同じと話しましたが、性質は少し異なるようです。
簡単にまとめると、
・酸化型ビタミンCは水に溶けやすく、熱に弱い
・還元型ビタミンCは熱に強いが、アルカリ性には弱い
よく耳にする「ビタミンCが破壊される」というのは、酸化型ビタミンCの話をしており、実際はすべてのビタミンCがなくなっているわけではないことがわかりました。
さらに調べてみると、この「ビタミンCが熱に弱い」という説は実験室で行われた試験管内での話であり、野菜のような実際の食材をもとに実験したものではなく、純正のビタミンCを用いた水溶液を用いた実験で出た結果だったようです。
〇加熱調理せず野菜を食べても、有効成分の90%以上は無駄にしている
そもそもビタミンCは野菜のどこに含まれているのか。
細胞の中です。なので、細胞の中に存在しているビタミンCを取り込むためにはどうしたらよいのか。
破壊するのです、細胞を。詳しく言うと「細胞壁」を壊す必要があります。では、どうやってその細胞壁を壊すのか。
ウシやウマのような草食動物は消化器官の中にいる微生物の力によって細胞壁(セルロース)を分解することが可能ですが、私たち人間の消化器官内にはこのような微生物はいません。
では、どうやって??
加熱です。
いやいや、さっき加熱したら酸化型のビタミンCが壊れちゃうって言ってたやん...ってツッコミが出てきそうですが、加熱調理しないと酸化型ビタミンCを減少させてしまう以上にもったいないことが起こってしまうのです。
そう、この章のタイトルにもある「有効成分の90%を無駄にしている」のです。ビタミンCも例外ではありません。
長くなりましたが以上より、ベジヲタはトマトの力を最大限生かすために加熱調理を選び、今回ドライトマトを作ることしました!
かなり長くなってしまったので、第2部を作成して、そこで「本当の栄養満点ドライトマト」をまとめます。
人生で一番若いのは今この瞬間。野菜のことを知り、野菜を楽しめるかどうかは今行動するかしないかで決まります。
野菜を楽しむ、ベジオタライフを満喫できる仲間がひとりでも増えると嬉しいです!
長文読んでいただきありがとうございます。